デュピクセント®の特性

国際共同第Ⅲ相検証的試験:SINUS-52(海外データ)

社内資料:鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者を対象とした国際共同第Ⅲ相検証的試験[EFC14280(SINUS-52)](承認時評価資料)
Bachert C et al. Lancet 2019;394:1638-1650[本試験はサノフィ株式会社及びRegeneron Pharmaceuticalsの資金提供により実施された。]

    試験概要

    目的 既存治療でコントロール不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者(18歳以上)を対象に、鼻噴霧用ステロイド薬による基礎治療下でデュピクセントを皮下投与した場合の有効性、安全性を評価する。
    試験デザイン 国際共同、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
    対象

    既存治療でコントロール不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者※3448例(日本人49例含む)

    ※3:過去2年以内に鼻茸に対する全身性ステロイド薬(SCS)治療歴を有する又はSCSに対し禁忌又は忍容性が認められない又は鼻茸に対する手術歴を有する、鼻茸スコア(NPS)5以上(各鼻孔2以上)、スクリーニング前8週間以上にわたり、鼻閉、嗅覚障害、鼻漏などの症状が持続している

    投与方法

    デュピクセント300mgを52週まで2週に1回皮下投与する群(デュピクセント300mg/2週群)、24週まで2週に1回皮下投与した後、52週まで4週に1回皮下投与する群(デュピクセント300mg/2-4週群)、プラセボを52週まで2週に1回皮下投与する群(プラセボ群)に1:1:1で無作為化割り付けし、52週間投与した。患者は併用薬として、1日2回モメタゾンフランカルボン酸エステル点鼻液を各鼻孔に2噴霧(50μg/噴霧)し、SCSの使用及び手術による救済治療を治験責任医師の判断で行うことを可能とした。

    評価項目 【主要評価項目】
    〈デュピクセント300mg/2週併合群※4
    • 24週時における鼻茸スコア(NPS)、鼻閉重症度スコアのベースラインからの変化量(検証的な解析結果)
    • 24週時におけるCT画像によるLund-Mackayスコアのベースラインからの変化量[日本のみ主要評価項目]
    【副次評価項目】
    〈デュピクセント300mg/2週併合群※4
    • 24週時における嗅覚障害重症度スコア、全症状スコアのベースラインからの変化量など)
    〈デュピクセント300mg/2週群、デュピクセント300mg/2-4週群〉
    • 52週時における鼻茸スコア(NPS)、鼻閉重症度スコア、嗅覚障害重症度スコア、全症状スコア、Lund-Mackayスコアのベースラインからの変化量など

    ※4:デュピクセント300mg/2週群とデュピクセント300mg/2-4週群の併合

    【安全性】

    治験薬投与下に発現した有害事象など

    解析計画
    • 有効性評価項目の主要解析対象集団は、無作為化された全ての患者を含むITT集団、安全性評価項目の解析対象集団は、投与量にかかわらず、治験薬の投与を受けた全ての患者を含む安全性解析対象集団とした。
    • 有効性の主要評価項目は、欠測データをworst-observation carried forward(WOCF)法及び多重代入(MI)法を合わせた混成手法により解析した。
      代入値が補完されたデータについて、主要評価項目の対応するベースラインの値、投与群、喘息/NSAID-ERDの状態、手術歴及び地域を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を用いて解析した。記述統計量には、患者数、平均値、標準誤差及び調整平均を示した。調整平均の差とそれに対応する95%信頼区間についてもp値と共に示した。主な副次評価項目の解析も同様に、WOCF法及びMI法を合わせた混成手法により解析した。
    • 有効性の主要評価項目及び選択された副次評価項目に対する検定を実施するに際し、全体として第一種の過誤を制御するため、階層的検定手順を適用した。
      プラセボとの比較においては両側検定で有意水準5%の下で、①鼻茸スコア(NPS)(24週時)及び鼻閉重症度スコア(24週時)、②Lund-Mackayスコア(24週時)、③全症状スコア(24週時)、④UPSITスコア(24週時)、⑤嗅覚障害重症度スコア(24週時)、⑥SNOT-22合計スコア(24週時)、⑦鼻茸スコア(NPS)(52週時)、⑧鼻閉重症度スコア(52週時)、⑨SNOT-22合計スコア(52週時)(いずれもベースラインからの変化量)の順序で、階層手順により検定を行った。

    6.用法及び用量(抜粋)〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

    注:モメタゾンフランカルボン酸エステル点鼻液は鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎には効能・効果を有していません。

臨床試験で使用した主な評価指標

鼻茸スコア(NPS;nasal polyp score)

  • 鼻茸を内視鏡的に評価するスコア。
  • 範囲:0~8(左右各0~4) 内視鏡所見(右側)

鼻閉重症度スコア/嗅覚障害重症度スコア

  • 患者が毎日午前中に評価する鼻閉/嗅覚低下・障害の重症度スコア。
  • 範囲:0~3(0=症状なし、1=軽度の症状、2=中等度の症状、3=重度の症状)
スコア 症 状
0 症状なし
1 軽症(症状があり、わずかに認識できるが容易に耐えられる)
2 中等症(明らかに症状があり煩わしいが、許容できる)
3 重症(症状が耐えがたく、日常生活の妨げとなる)

全症状スコア

  • 患者が毎日午前中に評価する副鼻腔炎の症状(鼻閉、嗅覚障害、鼻漏[別々に測定した前鼻漏/後鼻漏の平均])の合計から算出される全副鼻腔炎症状の重症度スコア。
  • 範囲:0~9(各0~3[0=症状なし、1=軽度の症状、2=中等度の症状、3=重度の症状])

Lund-Mackayスコア

  • CT画像における副鼻腔の混濁度を評価するスコア。
  • 範囲:0~24(左右各0~12)

副鼻腔

 

上顎洞

0,1,2

0,1,2

0:異常なし
1:部分的混濁
2:完全混濁

前篩骨洞

0,1,2

0,1,2

後篩骨洞

0,1,2

0,1,2

蝶形骨洞

0,1,2

0,1,2

前頭洞

0,1,2

0,1,2

OMC(中鼻道自然口ルート)

0,2

0,2

0:閉塞なし、2:閉塞あり

総合点

0-12

0-12

 

日本鼻科学会(編):副鼻腔炎 診療の手引き, 金原出版, 2007, p.26より作成

患者背景

  プラセボ群
(n=153)
デュピクセント
300mg/2週群
(n=150)
デュピクセント
300mg/2‒4週群
(n=145)
年齢、平均値±SD、歳 51.67±12.66 51.91±11.88 52.28±12.87
男性、n(%) 95(62.1) 97(64.7) 87(60.0)
鼻茸罹病期間、平均値±SD、年 10.88±9.40 11.28±10.38 10.67±9.12
過去に1回以上手術を受けた患者、n(%) 88(57.5) 88(58.7) 85(58.6)
過去2年にSCSを投与した患者、n(%) 122(79.7) 121(80.7) 116(80.0)
鼻茸スコア(NPS)、平均値±SD(範囲0-8) 5.96±1.21 6.07±1.22 6.29±1.20
嗅覚障害重症度スコア、平均値±SD(範囲0-3) 2.72±0.52 2.81±0.46 2.73±0.59
全症状スコア、平均値±SD(範囲0-9) 7.08±1.38 7.31±1.41 7.28±1.55
鼻閉重症度スコア、平均値±SD(範囲0-3) 2.38±0.54 2.48±0.62 2.44±0.59
Lund-Mackayスコア、平均値±SD(範囲0-24) 17.65±3.76 18.42±3.61 17.81±3.89
喘息/NSAID-ERDを含む何らかの2型性疾患の既往、n(%) 127(83.0) 122(81.3) 120(82.8)
喘息、n(%) 91(59.5) 85(56.7) 91(62.8)
NSAID-ERD、n(%) 44(28.8) 35(23.3) 41(28.3)

†付きの項目は、階層的検定⼿順の実施が事前に規定された項⽬。数字は検定順。

デュピクセント投与によって、24週時の鼻茸スコアはプラセボと比較して有意に低下し、52週時点でも有意な低下が認められました。

デュピクセント投与によって、24週時の嗅覚重症度スコアはプラセボと比較して有意に低下しました。

デュピクセント投与によって、24週時の全症状スコアはプラセボと比較して有意に低下しました。

デュピクセント投与によって、24週時の鼻閉重症度スコアはプラセボと比較して有意に低下し、52週時点でも有意な低下が認められました。

デュピクセント投与によって、24週時のLund-Mackayスコアはプラセボと比較して有意に低下し、52週時点でも有意な低下が認められました。

安全性

有害事象はプラセボ群で90.7%(136/150例)、デュピクセント300mg/2週群で83.2%(124/149例)、デュピクセント300mg/2-4週群で89.2% (132/148例)に発現しました。
主な副作用は、プラセボ群で注射部位紅斑(7.3%[11例])、注射部位疼痛(2.7%[4例])、注射部位反応(2.0%[3例])、偶発的過量投与(2.0%[3例])、デュピクセント300mg/2週群で注射部位紅斑(7.4%[11例])、注射部位反応(3.4%[5例])、デュピクセント300mg/2-4週群で注射部位紅斑(6.8%[10例])、注射部位反応(5.4%[8例])、偶発的過量投与(4.7%[7例])、注射部位疼痛(3.4%[5例])、注射部位内出血(2.7%[4例])、注射部位腫脹(2.7%[4例])でした。
重篤な有害事象はプラセボ群で10.0%(15/150例)、デュピクセント300mg/2週群で5.4%(8/149例)、デュピクセント300mg/2-4週群で6.8%(10/148例)に発現しました 。治験薬と因果関係ありと判断された重篤な有害事象はプラセボ群で1例(慢性副鼻腔炎;手術を必要とする慢性副鼻腔炎症状の悪化)、デュピクセント300mg/2週群で1例(好酸球増加症)でした。
投与中止に至った有害事象はプラセボ群で11.3%(17/150例)、デュピクセント300mg/2週群で4.0%(6/149例)、デュピクセント300mg/2-4週群で1.4%(2/148例)に発現しました 。このうち複数例に発現した投与中止に至った有害事象は鼻茸6例(いずれもプラセボ群)、喘息2例(プラセボ群及びデュピクセント300mg/2週群各1例)であり、デュピクセント300mg/2週群で1例に発現した有害事象は、毛包炎、鼻の良性新生物、好酸球増加症、薬物過敏症、不眠症、斑状皮疹、関節痛、ループス様症候群、デュピクセント300mg/2-4週群で1例に発現した有害事象は、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、錯乱状態でした。
死亡に至った有害事象はデュピクセント300mg/2-4週群で1例(外傷性頭蓋内出血)に認められましたが、治験薬との因果関係は否定されました。

副作用の種類 プラセボ群
(n=150)
デュピクセント
300mg/
2週群
(n=149)
デュピクセント300mg/
2‒4週群
(n=148)
急性中耳炎 0 1(0.7) 0
気管支炎 0 1(0.7) 0
慢性副鼻腔炎 1(0.7) 0 0
上咽頭炎 1(0.7) 0 0
悪性貧血 1(0.7) 0 0
好酸球増加症 0 2(1.3) 2(1.4)
白血球減少症 1(0.7) 0 0
好中球減少症 0 2(1.3) 0
薬物過敏症 0 1(0.7) 0
食欲亢進 1(0.7) 1(0.7) 0
不安 1(0.7) 0 0
錯乱状態 0 0 1(0.7)
不眠症 0 1(0.7) 0
嗅覚錯誤 0 1(0.7) 1(0.7)
頭痛 0 0 2(1.4)
眼乾燥 0 0 1(0.7)
高血圧 0 0 1(0.7)
喘息 2(1.3) 1(0.7) 0
鼻漏 0 0 2(1.4)
副鼻腔痛 0 0 1(0.7)
くしゃみ 0 0 2(1.4)
鼻茸 1(0.7) 0 0
下痢 0 0 1(0.7)
腹痛 0 1(0.7) 0
上腹部痛 0 1(0.7) 0
腹部不快感 0 0 1(0.7)
嘔吐 0 1(0.7) 0
皮膚亀裂 0 1(0.7) 0
皮膚病変 0 0 2(1.4)
皮膚炎 0 0 1(0.7)
アトピー性皮膚炎 1(0.7) 0 0
副作用の種類 プラセボ群
(n=150)
デュピクセント
300mg/
2週群
(n=149)
デュピクセント300mg/
2‒4週群
(n=148)
紅斑 1(0.7) 1(0.7) 0
剥脱性発疹 0 1(0.7) 0
皮膚剥脱 0 1(0.7) 0
発疹 0 1(0.7) 1(0.7)
脱毛症 0 0 1(0.7)
ループス様症候群 0 1(0.7) 0
関節痛 0 2(1.3) 0
注射部位内出血 2(1.3) 2(1.3) 4(2.7)
注射部位皮膚炎 0 0 1(0.7)
注射部位変色 1(0.7) 0 0
注射部位紅斑 11(7.3) 11(7.4) 10(6.8)
注射部位皮膚剥脱 0 0 1(0.7)
注射部位出血 1(0.7) 1(0.7) 0
注射部位硬結 0 2(1.3) 0
注射部位炎症 1(0.7) 1(0.7) 0
注射部位刺激感 0 0 1(0.7)
注射部位結節 0 0 1(0.7)
注射部位浮腫 0 0 1(0.7)
注射部位疼痛 4(2.7) 2(1.3) 5(3.4)
注射部位そう痒感 0 1(0.7) 1(0.7)
注射部位発疹 0 2(1.3) 1(0.7)
注射部位反応 3(2.0) 5(3.4) 8(5.4)
注射部位腫脹 0 2(1.3) 4(2.7)
注射部位蕁麻疹 1(0.7) 1(0.7) 2(1.4)
注射部位熱感 0 0 1(0.7)
疲労 0 1(0.7) 2(1.4)
疼痛 0 0 1(0.7)
血中クレアチン
ホスホキナーゼ増加
0 0 1(0.7)
偶発的過量投与 3(2.0) 2(1.3) 7(4.7)
企図的過量投与 1(0.7) 0 0
n(%)   MedDRA Version 21.0

国際共同第Ⅲ相検証的試験(SINUS-52)及び
海外第Ⅲ相検証的試験(SINUS-24)の併合解析(海外データ)

Bachert C et al. Lancet 2019;394:1638-1650[本試験はサノフィ株式会社及びRegeneron Pharmaceuticalsの資金提供により実施された。]

    試験概要

    目的 既存治療でコントロール不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者(18歳以上)を対象としたSINUS-52及びSINUS-24のデータを併合し、有効性及び安全性について評価する。主な目的は、個々の試験において予期される事象/患者の数が限られている、事前に規定した主な副次評価項目について評価することであった。
    試験デザイン 国際共同、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験の併合解析
    対象

    既存治療でコントロール不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者724例(SINUS-52:448例[日本人49例含む]、SINUS-24:276例) ・救済治療を必要とした患者の割合の評価項目では、デュピクセント300mg/2週群はSINUS-52におけるデュピクセント300mg/2週群の52週時150例、デュピクセント300mg/2-4週群の24週時145例、SINUS-24におけるデュピクセント300mg/2週群の24週時143例のデータを併合し、プラセボ群はSINUS-52における52週時153例、SINUS-24における24週時133例を併合
    ・安全性併合解析では、デュピクセント300mg/2週群はSINUS-52の24週時297例、SINUS-24の24週時143例を併合し、プラセボ群はSINUS-52の24週時150例、SINUS-24の24週時132例を併合

    投与方法

    SINUS-52では、3群に1:1:1に無作為化割り付けし、52週間投与した。SINUS-24では、2群に1:1に無作為化割り付けし、24週間投与した。
    両試験ともに患者は併用薬として、1日2回モメタゾンフランカルボン酸エステル点鼻液を各鼻孔に2噴霧(50μg/噴霧)し、SCSの使用及び手術による救済治療を治験責任医師の判断で行うことを可能とした。

    ※1:1日2回投与に耐えられない場合は、1日1回投与を継続した。
    ※2:喘息/非ステロイド性抗炎症薬過敏喘息(NSAID-ERD)の状態(病歴に基づく有無)、手術歴(有無)及び地域により層別化

    評価項目 【主な副次評価項目】
    救済治療(投与期間中にSCS投与又は副鼻腔手術[実施又は計画]を受けると定義)を必要とした患者の割合及び実施に至るまでの期間など
    【安全性】治験薬投与下に発現した有害事象など
    解析計画
    • 各試験における階層検定手順[SINUS-52:p.6解析計画参照、SINUS-24:①鼻茸スコア(NPS)(24週時)及び鼻閉重症度スコア(24週時)、②Lund-Mackayスコア(24週時)、③全症状スコア(24週時)、④UPSITスコア(24週時)、⑤嗅覚障害重症度スコア(24週時)、⑥SNOT-22合計スコア(24週時)(いずれもベースラインからの変化量)の順序で検定]で全ての評価項目がp≦0.05で統計的有意に達した場合にのみ、救済治療を必要とした患者の割合を階層検定手順に則り検定することとした。
    • 救済治療を必要とした患者の割合及び実施に至るまでの期間の解析は、救済治療を必要とした患者の割合を算出し、Cox比例ハザードモデルを用いて最初のイベントまでの期間を解析した。Cox比例ハザードモデルは、イベントを従属変数とし、試験指標(0:SINUS-52、1:SINUS-24)、投与群、喘息/NSAID-ERD、手術歴及び地域(併合された地域)を共変量とした。

    6.用法及び用量(抜粋)〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

    注:モメタゾンフランカルボン酸エステル点鼻液は鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎には効能・効果を有していません。

患者背景

  プラセボ群
(n=286)
デュピクセント
300mg/2週群(n=438)
年齢、平均値±SD、歳 51.28±12.90 51.47±12.79
鼻茸罹病期間、平均値±SD、年 10.83±9.01(n=284) 11.12±9.73(n=435)
 過去に1回以上手術を受けた患者、n(%) 187(65.4) 272(62.1)
 過去2年にSCSを投与した患者、n(%) 209(73.1) 329(75.1)
喘息/NSAID-ERDを含む何らかの2型性疾患の既往、n(%) 178(62.2) 273(62.3)
 喘息、n(%) 170(59.4) 258(58.9)
 NSAID-ERD、n(%) 82(28.7) 122(27.9)

デュピクセント投与によって、救済治療(治療期間中にSCS投与又は副鼻腔手術 [実施又は計画]を受けると定義)を必要とした患者の割合は有意に減少しました。

安全性

24週の併合安全性解析対象集団において、副作用はプラセボ群で16.3%(46/282例)、デュピクセント300mg/2週群で20.0%(88/440例)に発現しました。主な副作用はプラセボ群で注射部位紅斑(7.4%[21例])、注射部位反応(1.8%[5例])、デュピクセント300mg/2週群で注射部位紅斑(6.1%[27例])、注射部位反応(3.4%[15例])、注射部位疼痛(1.8%[8例])でした。
重篤な有害事象はプラセボ群で5.7%(16/282例)、デュピクセント300mg/2週群で3.4%(15/440例)に発現しました。治験薬との因果関係が否定できない重篤な有害事象は、デュピクセント300mg/2週群2例(好酸球増加症1例、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症1例)でした。
投与中止に至った有害事象はプラセボ群で5.3%(15/282例)、デュピクセント300mg/2週群で2.5%(11/440例)に発現しました。このうちいずれかの群で複数例に発現した投与中止に至った有害事象は鼻茸(プラセボ群:5例、デュピクセント300mg/2週群:2例)、デュピクセント300mg/2週群で1例に発現した有害事象は、毛包炎、鼻の良性新生物、好酸球増加症、薬物過敏症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、不眠症、喘息、斑状皮疹、関節痛、ループス様症候群、乾癬性関節症、リウマチ性障害でした。
24週時における併合安全性解析対象集団では、死亡は報告されませんでした。なお、併合解析期間外で2例の死亡(SINUS-24;プラセボ群で急性心筋梗塞[疑い]1例、SINUS-52;デュピクセント300mg/2-4週群で自転車事故による外傷性頭蓋内出血1例)が報告されましたが、いずれも治験薬との因果関係は否定されました。

有害事象の種類 プラセボ群
(n=282)
デュピクセント300mg/2週群
(n=440)
全体の有害事象 208(73.8) 305(69.3)
重篤な有害事象 16(5.7) 15(3.4)
投与中止に至った有害事象 15(5.3) 11(2.5)
死亡例 0 0
副作用 46(16.3) 88(20.0)
いずれかの群で1%以上に発現が認められた副作用
注射部位紅斑 21(7.4) 27(6.1)
注射部位反応 5(1.8) 15(3.4)
注射部位疼痛 4(1.4) 8(1.8)
注射部位腫脹 1(0.4) 6(1.4)
注射部位内出血 2(0.7) 5(1.1)
偶発的過量投与 2(0.7) 5(1.1)
好酸球増加症 0 5(1.1)
n(%)   MedDRA Version 21.0

MAT-JP-2006788-2.0-11/2022

e-MR医療関係者向け製品情報サイト