デュピクセント®︎がよい適応となる状態/患者像 ですね。
こんな患者さんはいらっしゃいませんか?

デュピクセント®︎がよい適応となる状態/患者像

生物学的製剤のデュピクセント®はIL-4/13のシグナル伝達を直接阻害することで、喘息の気道炎症の中心であるType2炎症反応を上流から下流まで広範囲に抑制します。デュピクセント®のよい適応になる状態/患者像をまとめました。

2つの状態(重症喘息)

・血中好酸球値またはFeNOが高値の状態
・OCS服用が必要な状態

以上、2つの状態にある喘息患者さんではType2炎症が亢進しており、IL-4/13の関連が考えられます。実際、Type2炎症が亢進しているとFeNOと血中好酸球値が高値を示します1)。また、維持療法としてOCSが必要な患者さんは、Type2炎症が潜んでいる可能性があります2)
なお、OCSを用いている患者さんでは、Type2炎症のバイオマーカー値に注意が必要です。OCSがType2炎症のバイオマーカー(血中好酸球、喀痰中好酸球、FeNO)を抑制するからです2)

デュピクセント®︎が適する4つの患者像

・咳、痰、または息切れがある患者さん
IL-4/13は感覚神経への直接刺激、平滑筋収縮、リモデリング、粘液増多を通じて喘息の咳・痰・息切れを引き起こします3-9)。また、IL-13は杯細胞過形成、ムチン(MUC5AC)発現の亢進に影響しているため、喀痰症状や粘液栓がみられる喘息患者さんには、IL-13に直接的にアプローチする治療戦略が有効であると考えられます10,11)

・%FEV1が低いまたは呼吸機能経年低下がある患者さん
「2つの状態(重症喘息)」でも紹介したFeNOですが、症状が安定している喘息患者さんにおいてFeNOの値が高いと経年的に%FEV1や気道可逆性が低下するとされています12)
喘息患者さんの気道ではTh2細胞、ILC2などから産生されるIL-4/13によって気道上皮、マクロファージなどに誘導型NOS(iNOS)が発現し、大量のNOが産生されます13)

・慢性副鼻腔炎またはアトピー性皮膚炎の合併がある患者さん
IL-4/13は、喘息、鼻茸・好酸球性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患形成に影響を及ぼします14)。実際、デュピクセント®︎はアトピー性皮膚炎と鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対しても用いられ、これらの疾患が合併している場合はデュピクセント®︎の優先的な使用を考慮することが、「アレルギー総合診療のための分子標的治療の手引き」14)に記されています。
 
・Remissionを⽬指したい患者さん
個々の患者さんに適した早期の治療介⼊が、将来の喘息増悪の回避につながることが報告されています15)。また、罹病期間5年以下、%FEV1が75%以上といった早期の段階でデュピクセント®などの⽣物学的製剤を導⼊した患者さんでRemission達成率が⾼いこと16)も報告されており、難治化因⼦の特定と治療、吸⼊アドヒアランスの確認などを⾏ったうえで治療強化が必要と判断した患者さんに対しては、⽣物学的製剤の早期導⼊を検討することが⼤切です。

2つの状態、4つの患者像を以下にまとめました。当てはまる患者さんには、デュピクセント®︎の処方をご検討ください。

1)    Pavlidis S et al. Eur Respir J 2019; 53: 1800938
2)    Global Strategy for Asthma Management and Prevention (2023 update)
©︎ Global Initiative for Asthma, 2023 (https://ginasthma.org/)
3) Kim B et al. J Allergy Clin Immunol 2024; 153: 879-893
4) Ohta Y et al. J Immunol 2008; 180: 4191-4199 
5) Manson ML et al. J Allergy Clin Immunol 2020; 145: 808-817.e2 
6) Firszt R et al. Eur Respir J 2014; 43: 464-473 
7) Tagaya E et al. Allergol Int 2007; 56: 331-40 
8) Dickinson JD et al. Autophagy 2016; 12: 397-409
9) Gomperts BN et al. Am J Respir Cell Mol Biol 2007; 37: 339-346 
10) Chand HS et al. Sci Rep 2018; 8: 436
11) Fahy JV et al. N Engl J Med 2010; 363: 2233-2247
12) Matsunaga K et al. Allergol Int 2016; 65: 266-271
13) Alving K et al. European Respiratory Monograph (Edited by Horvath I, de Jongste JC), European Respiratory Society, 2010, p.1-31
14) ⼀般社団法⼈ ⽇本アレルギー学会. アレルギー総合診療のための分⼦標的治療の⼿引き
15) Hirano T et al. J Asthma Allergy 2018; 11: 19–27
16) Oishi K et al. J Clin Med 2023; 12: 2900
COI: 著者にサノフィ株式会社より講演料を受領している者が含まれる。

MAT-JP-2308692-2.0-12/2024

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